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体外受精法
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体外受精法(以下IVF-ETと略)

1)どんな人に体外受精(IVF-ET)が必要か?
①両側の卵管が閉鎖している方。(過去にクラミジアなどに感染したことがある人など)
②完全に卵管が詰まっていなくてもその周囲に強い癒着が考えられる。(子宮卵管造影法などで卵管周囲に癒着が疑われる)
③不妊期間が2年以上で、他の不妊治療(タイミング法、人工授精法)を行っても妊娠しない場合。
④年齢が38歳以上、不妊期間が2年以上で卵巣機能が低下している(例えばAMHが2.0以下)のような方は早めの体外受精がお勧めです。
⑤子宮内膜症が進んでいて、かつ他の不妊治療(タイミング法、卵巣刺激法、人工授精法)を行っても妊娠に至らない方。
⑥妻側に抗精子抗体(ASA)があり、自然の受精が期待できない方。(抗精子抗体の有無は1回採血ですぐに分かります)
⑦いろいろな原因で人工授精を3~4回行っても妊娠に至らない方。
⑧明らかな不妊原因がなく(原因不明不妊)、タイミング法や人工授精など行っても妊娠に至らない方。
⑨年齢が40歳以上の方は早めの体外受精をお勧めします。
⑩総精子数が1000万以上で4~5回人工授精を行っても妊娠に至らない方。
2)体外受精の方法は?

(1)卵を多く採卵するための卵巣刺激

通常、卵巣から卵は毎月1個排卵されます。この1個の卵を採取しても効率が悪いので、排卵誘発剤を投与し多数の卵が発育するように卵巣を刺激します。
これを調節卵巣刺激法(controlled ovarian stimulation(COS))と言います。
以下その主な方法の名前だけ示します。

  • ①Clomid法:Clomidという排卵誘発剤を5日間服用。
  • ②Clomid+FSH:内服Clomidに卵巣を刺激するFSHを注射する方法。
  • ③hMG+antagonist法:hMGという卵巣刺激剤(注射)で刺激しつつ、勝手に排卵しないようにantagonistというブレーキを併用して卵を発育させる方法。
  • ④short法:hMGを注射しながら勝手に排卵しないようにブセレキュアという点鼻薬を併用して卵を発育させる方法。

(2)卵の発育モニタリング

前項1)で示した刺激をしながら卵の発育が進んでいるか否か超音波で卵胞(卵の入った袋)を計測したり、卵胞から分泌されるホルモン(エストラジオール(E2))を測定し、卵が最も成熟し、採卵に最も適したタイミングをはかります。

(3)採卵

月経開始からおよそ13~14日目の最も卵が成熟したと思われるタイミングで、膣の中からごく細い針を卵胞に刺し吸引します。すると卵胞液とともに卵が採取されます。これを採卵と呼びます。約5分間前後の時間です。

(4)媒精・胚培養

採取した卵を培養液に入れ、その中にご主人の精子を添加し(媒精)、特殊な培養環境で培養すると受精が起こります。通常2日目には4細胞、3日目には8細胞、5日目には胚盤胞に発育します。

(5)胚、胚盤胞の凍結保存

胚、胚盤胞はそのまま子宮内に移植しないで一旦凍結しておきます。その理由は、卵巣刺激した周期では卵巣から多量の卵胞ホルモンが分泌されます。この卵胞ホルモン過剰な環境では子宮内膜の着床環境に良くないので1回見送り、次の月経を待ちます。そのために凍結保存します。

(6)胚移植(凍結胚融解移植)

既に凍結保存してある胚を採卵の次周期以降のホルモン環境が自然とほぼ類似した周期に卵を融解し細いチューブを入れ、そっと子宮腔内に入れ注入してあげます。これが胚移植です。約10分位で終了します。

周期
3)体外受精の費用は?
詳細は本ガイドの中の『不妊治療の費用』の項目を参照してください。卵巣刺激法(内服のみか注射か)により差はありますが、おおむね40~50万円くらいでしょうか。高額ではあります。
これに対して国は助成金事業を行っております。つまり都道府県により補助金が支給される制度があります。このことについては受付で気軽に御相談下さい。

楠原ウィメンズクリニックでの治療

  • 不妊治療を受けはじめて、
  • すぐに妊娠される患者さ
  • まもいらっしゃれば、な
  • かなか妊娠に至らない
  • 患者さまもいらっしゃ
  • います。当院では院長
  • がお一人おひとりの患
  • 者さまに合う治療法をご提
  • 案し、患者さまとともに粘り
  • 強く不妊症に向き合っていき

ます。また、女性看護師が患者さまを支え、ご納得いただけるまで治療法についてご説明しております。

不妊治療は時間との闘い、そしてタイミングとの闘いです。当院は患者さまのご都合にできるかぎり対応するために、予約制ではございません。地下鉄銀座駅の目の前で診療しております。そのため、仕事帰りに立ち寄り、治療を受ける患者さまが少なくありません。なかには勤務先の昼休みを利用して、診察を受けられる患者さまもいらっしゃいます。お仕事と不妊治療を両立して行っている方がほとんどですので、排卵誘発剤の注射はご自身でおこなっていただくことも可能です。

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